島バナナ協会活動レポート

静岡県伊東市・伊豆半島地域において、島バナナ栽培を希望される方からの要望を受け、
島バナナ協会として試験的な取り組みを支援するため、
遺伝子分析済みの苗を7本提供いたしました。


今回の苗は、当協会の協力農園であるWAKWAKさんの畑で育てられたもので、
苗の選定と発送、そして今後の栽培指導は「森田さんの島バナナ農園」での島バナナの栽培と、
運営に取り組んでいる西川さんが担当しました。


発送された苗は、吸芽の中でも剣吸芽(けんきゅうが)と呼ばれる、
葉が細いタイプの苗を中心に選定しました。
これは当協会が実施した島バナナの遺伝子分析に協力していただいた高橋先生の島バナナ勉強会で、
共有された知見をもとにした判断です。

発送された苗は、吸芽の中でも剣吸芽(けんきゅうが)と呼ばれる、
葉が細いタイプをあえて選びました。
吸芽には主に2種類あり、葉が広がっているものを「水吸芽」、
葉が細いものを「剣吸芽」と呼びます。
剣吸芽は地下の芋部分が大きく、移植後の生育が良い傾向があります。
また、移植時に根がない状態だと、根から吸収できる水分量と葉からの蒸散のバランスが崩れ、
葉が一時的に枯れることがあります。
葉が細く枚数の少ない剣吸芽は、この影響を受けにくく、
バランスが保たれやすいため、移植初期のリスクを軽減できます。
さらに輸送時にも水分消費量が少なく、苗への負担が少ない点も利点です。
これらは、高橋先生の島バナナ勉強会で共有された知見を踏まえた判断です。
これらの理由から、移植初期におけるリスクを最小限に抑えた選定を実施しました。


島バナナは本来、亜熱帯〜熱帯の環境を好む作物ですが、今回の伊豆半島での取り組みは、
気候変動や栽培技術の進展に対応した新たな挑戦となります。

「森田さんの島バナナ農園」としての活動が順調に進み、
静岡県でも島バナナが実を結ぶかどうかは、
今後の経過観察にかかっています。当協会としても引き続きサポートを行い、
成功事例となるよう努めてまいります。

今後の成長が非常に楽しみです。


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